みなさんこんにちは。
新発田市の歯医者【ハート歯科クリニック】です。
「歯ぐきが腫れている」
「歯磨きのときに血が出る」
これらは、歯周病のサインかもしれません。
実は、40代以上の方の多くがかかっているとされる歯周病ですが、初期は自覚症状が少なくいつの間にか進行する特徴があります。
放置して悪化すると歯が抜け落ちる原因にもなりますが、早期に発見して適切な治療を受ければ、進行を止めたり改善することができます。
そこで今回は、歯周病の進行状態によってどんな治療が行われるのかを【段階別】にわかりやすく解説します。
目次
■【軽度】歯ぐきの腫れ・出血がある場合
歯周病の初期段階では、歯ぐきの炎症(歯肉炎)が起こっています。
この段階では、歯の表面に付着したプラーク(歯垢)や歯石が原因のため、定期検診などで発見された場合は、以下の治療を行います。
◎スケーリング(専用の器具で歯石や歯垢を除去)
毎日セルフケアしていても、苦手な部分や磨きにくい所は汚れが残ってしまいがちです。
歯科医院では専用の機械を使用して、歯石や歯垢を除去します。
歯垢は時間が経過すると歯石になり、歯ブラシで落とすことができません。
そのため、定期的にクリーニングをして汚れを除去すると、お口の中を清潔に保つことができます。
◎ブラッシング指導(正しい歯磨き方法の指導)
お口の状況や患者さまの歯磨きの仕方によって、汚れの残り具合が変わってきます。
患者さまの状況に応じた正しい歯磨き方法をお伝えし、毎日のセルフケアに役立てていただきます。
■【中等度】歯周ポケットが深くなっていく
歯周病が進行すると、歯と歯ぐきの間に「歯周ポケット」ができ、内部に歯石や細菌がたまりやすくなります。
この段階では、以下のような処置が行われます。
◎ルートプレーニング
歯根の表面に付着した歯石や感染物質を除去します。
また、ザラついた表面を滑らかに整えて、細菌の再付着を予防します。
◎歯周ポケット測定と定期的なメンテナンス
歯ぐきの奥に潜む歯石や感染源を徹底的に取り除き、歯ぐきの炎症を抑えてポケットを浅くすることを目指します。
この時点でも、継続的なセルフケアと歯科でのメンテナンスがあれば進行を抑えられる可能性があります。
■【重度】歯がグラグラする・膿が出る
歯周病がさらに進むと、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶け始め、歯がグラグラする・膿が出る・痛みがあるといった症状が現れます。この状態になると、歯周病はかなり悪化・進行しています。
この場合は、通常のクリーニングだけでは不十分なため、外科的処置が必要になることもあります。
◎フラップ手術
歯周ポケットが深くなり、歯ぐきの奥深くにまで歯石や細菌が入り込んでしまうと、通常のクリーニング(スケーリング・ルートプレーニング)では完全に取り除けなくなります。
そこで、歯ぐきを一時的に切開して、歯根を露出させ、目で確認しながら汚れを徹底的に除去するのがフラップ手術です。
◎骨再生療法(GTR・エムドゲインなど)
歯周病が重度に進行すると、歯を支えている顎の骨が溶けてしまうことがあります。このようなケースでは、フラップ手術と併用して、骨の再生を促す「再生療法」が選択されることがあります。
※再生療法はすべてのケースに
適応できるわけではなく、
診断と条件によって選択されます。
外科治療は不安に思われるかもしれませんが、症状を改善してご自身の歯を残すための大切な選択肢です。
■歯周病治療は「健康な歯ぐきを維持すること」が目的
どの段階でも共通して大切なのは、毎日のセルフケア(正しい歯磨き)と歯科での定期的なメンテナンスです。
歯周病は「治ったら終わり」ではなく、再発しやすい慢性疾患です。
再発予防のためにも、継続的な管理が大切です。
歯周病は、初期段階ではほとんど痛みがなく、気づかないうちに進行してしまう怖い病気。しかし、早期発見・早期治療で健康な口元を取り戻すことが可能です。
「最近歯ぐきが腫れている気がする…」「歯磨きしたときに出血がある」
こんな小さなサインを見逃さず、ぜひ歯科医院でのチェックを受けてみてくださいね。
自分の歯を守る第一歩は、気づいた今から始められます。