
■甘いもの=むし歯、とは限らない?知っておきたい糖類の選び方
「おやつをあげたいけど、むし歯が気になる…」。お子さまを持つ方なら、一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
実はすべての甘味が同じようにむし歯を招くわけではありません。糖類の種類や食べ方を少し工夫するだけで、むし歯予防とお口の健やかな成長は両立しやすくなります。
この記事の要点まとめ
- 糖類には種類があり、キシリトールなどはむし歯菌が酸を作りにくい性質を持つ
- りんごやチーズなど「よく噛む」おやつは唾液分泌や顎の発達を促す
- おやつは時間を決めて食べ、ダラダラ食べを避けることがむし歯予防のポイント
■むし歯になりやすい糖類・なりにくい甘味料の違い

「甘いもの=歯に悪い」というイメージを持つ方は少なくありません。
しかし、糖類にも、むし歯を起こしやすいものと、そうでないものがあります。この違いを知っておくだけで、日々のおやつ選びがぐっとラクになるはずです。
目次
◎砂糖がむし歯を招きやすい理由——むし歯菌と糖類の関係
むし歯の原因菌であるミュータンス菌は、砂糖(スクロース)をエサにして「酸」を生み出します。この酸が、歯の表面のエナメル質を少しずつ溶かし、むし歯へとつながっていく仕組みです。
たとえば炭酸飲料500mlには、スティックシュガー10本分以上の砂糖が含まれているケースも珍しくありません。砂糖がお口の中に長くとどまるほど、酸にさらされる時間が延びる点にも注意が必要です。
◎キシリトール・マルチトールなど「むし歯の原因になりにくい」甘味料の特徴
キシリトールやマルチトールといった糖アルコール系甘味料は、むし歯菌が分解できないため酸を生みません。
なかでもキシリトールは、むし歯菌の活動自体を抑える働きがあると報告されており、歯科の分野でも広く注目されています。ガムやタブレットを選ぶ際は、キシリトール含有率が高い製品かどうかをチェックしてみてください。
◎意外と知られていない「果物の糖」の位置づけ
果物に含まれる果糖(フルクトース)は、砂糖と比べるとむし歯菌に利用されにくい性質を持っています。加えて、りんごやなしのように硬めの果物は自然と噛む回数が増え、唾液の分泌を促してくれるのもメリットです。
唾液にはお口を洗い流す自浄作用や、歯の再石灰化をサポートする力があるため、おやつとして取り入れる価値は十分にあるでしょう。
ただし、果汁100%ジュースは糖分が凝縮されており噛む動作も伴わないため、果物そのものとは分けて考えることが大切です。
■歯に良いおやつの選び方——むし歯予防×お口の成長を両立するコツ
むし歯を防ぎながら、お口の発達もしっかり促すおやつ選び。少しの工夫が、歯と体の成長をまとめてサポートすることにつながります。
◎果物・チーズ・ナッツなど歯に良い食べ物リスト
おすすめは、りんごやにんじんスティックなど「よく噛む」食べ物。
チーズはカルシウムが豊富なうえ、口の中のpHを中性に近づける働きも期待できます。小魚やナッツ類は噛みごたえがあり、顎の発達を助ける食材としても注目されています。
◎「よく噛むおやつ」がお口の成長を助ける理由
噛む回数が増えると唾液の分泌量が上がり、歯の再石灰化(酸によって溶けた歯を修復)が促されやすくなります。
さらに、しっかり噛む習慣は顎や口周りの筋肉の発達にもつながり、歯並びへの良い影響も期待できるといわれています。やわらかいお菓子に偏ると噛む力が育ちにくくなるため、硬さのある食べ物を意識的に取り入れてみてください。
当院では、お子さまの年齢やお口の状態に合わせた食事・おやつのアドバイスも行っています。むし歯予防と合わせて、お気軽にご相談ください。
◎おやつの「食べ方」と「タイミング」で差がつくむし歯予防
歯に良い食べ物を選んでいても、ダラダラ食べが続くとむし歯リスクは高まります。おやつは時間を決めて食べ、終わったら水やお茶でお口をゆすぐ習慣をつけましょう。
「何を食べるか」に加えて「どう食べるか」を意識するだけで、予防効果はぐっと高まります。定期的に歯科医院でお口の状態をチェックしてもらうことも、むし歯の早期発見につながる大切な習慣です。
■よくある質問
Q. キシリトール入りのお菓子なら、いくら食べてもむし歯にならない?
A. キシリトール自体はむし歯菌の酸産生を抑えるとされていますが、製品によっては砂糖など別の糖類が含まれている場合があります。成分表示を確認し、キシリトール含有率が高いものを選ぶのがポイントです。
Q. 果物はおやつとしてどのくらいの量が目安ですか?
A. 果物は歯に良い食べ物のひとつですが、果糖も含まれるため適量を心がけましょう。1回のおやつでお子さまの手のひらに乗る程度が目安です。食後に水やお茶でお口を流す習慣をつけると、より良いです。
Q. おやつの回数は1日何回くらいが適切?
A. 一般的には1日1〜2回、時間を決めて与えるのが望ましいとされています。ダラダラ食べが続くとお口の中が酸性に傾く時間が長くなるため、メリハリを意識することがむし歯予防のカギになります。
Q. 子どものむし歯予防について歯科医院で相談できますか?
A. もちろんです。当院ではお子さまのお口の状態を総合的に確認したうえで、食生活のアドバイスやフッ素塗布などの予防処置をご提案しています。どうぞお気軽にご相談ください。
新潟大学 歯学部 卒業
平成24年 利根歯科診療所 勤務
平成24年 ハート歯科クリニック 開院
日本歯内療法学会
日本歯科審美学会
日本臨床歯科学会
臨床保存医療研究会
