みなさんこんにちは。
新発田市の歯医者【ハート歯科クリニック】です。
お子さんが食事のときによく食べこぼす、発音が分かりにくい、口をポカンと開けているなどの様子に心当たりはありませんか?
これらは口腔機能発達不全症のサインの可能性があります。
近年、柔らかい食べ物の増加や生活習慣の変化によって、この症状を持つ子どもは増えているといわれています。
早期に発見し、適切な治療やトレーニングを行うことで、健やかな成長のサポートにつながります。そこで今回は、口腔機能発達不全症の症状と治療法について詳しくご紹介します。
目次
■口腔機能発達不全症とは?
口腔機能発達不全症とは、「食べる・話す・呼吸する」といった口に関わる基本的な機能が十分に発達していない状態です。
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睡眠中によくいびきをかく
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日中も口が開いたままで、口呼吸になりがち
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舌が下がった位置(低位舌)にあり、「サ行」「タ行」の発音が不明瞭
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食べ物をよく噛まずに、すぐに飲み込む
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唇が閉じにくく、口元がゆるんでいる
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硬い食べ物を嫌がり、やわらかいものばかりを好む傾向がある など
症状はさまざまですが、軽度の段階であっても見逃さないことが大切です。
また、歯並びや姿勢、全身の健康にも影響するため、お子さまの成長期に気づくことが重要とされています。
詳しい症状については、8月のトピックスで紹介していますので、あわせてご確認ください。
>子どものいびき・口呼吸の原因はお口の機能が発達してないから? 「口腔機能発達不全症」とは?
■治療とトレーニングの考え方
◎治療は「歯並び」だけでなく「機能改善」が重要
口腔機能発達不全症は、歯並びの問題だけでなく、いくつかの要因が関係しています。
「舌の位置や動き」「唇や頬の筋肉バランス」「口呼吸の習慣」こうした要素が複雑に関係しています。そのため、矯正装置だけでなく、日常生活の中での「機能の改善」を並行して進めることが大切です。
◎口腔筋機能療法(MFT)
【目的】
舌・唇・頬の筋肉を正しく使えるようにトレーニングし、歯や顎にかかる力のバランスを整えます。
【特徴】
お子さまでも続けやすい簡単な内容ですが、継続することで自然と筋肉が発達し、呼吸・咀嚼・発音に良い影響が期待できます。
家庭で実践できるため、歯科医院で習ったことを日常生活に取り入れやすいです。
【トレーニングの方法】
舌の正しい位置の習得
舌を、上の前歯のすぐ後ろのくぼみに置く練習
飲み込みの改善
舌を前に押し出さずに飲み込む練習
唇の閉じる力を鍛える
風船を膨らませる、ストローを使うなど遊び感覚で行える運動
こういったトレーニングはさまざまあり、お子さまによって適切なトレーニングをご案内しています。
◎マイオブレース(マウスピース型矯正装置)
【特徴】
マイオブレースは、柔らかいマウスピースの装置を装着する矯正システムです。
歯が正しい位置に生えてくるように促すだけでなく、口腔機能を正しく育てることを目的としています。
【使用方法】
日中1〜2時間と就寝時にマウスピースを装着します。
装着と同時に専用のトレーニングを実施することで、効果が高まります。
【改善できるポイント】
歯並びの乱れとなる原因にアプローチし、早い段階からコントロールします。
鼻呼吸を促し、口呼吸を防ぎます。
舌の位置を正しく誘導します。
【メリット】
成長期のお子さまに適しており、将来の歯並びに良い影響が見込め、発音や表情筋の使い方の改善にもつながります。
MFTと併用することで、より総合的な口腔機能改善が可能です。
■成長期のお子さまに適したアプローチ
このような顎の成長を利用した治療はタイミングが重要で、顎が成長している成長期に始めると改善効果が高いといわれています。
また、歯並びの乱れの予防的な役割もあるため、本格的な矯正治療が必要になる前に対処できるケースもあります。さらに。歯並びだけでなく、呼吸・発音・姿勢の改善につながりやすいです。
◎家庭でできるサポート
歯科医院での治療やトレーニングに加え、ご家庭でのサポートも大切です。
よく噛む習慣を意識して、硬めの食材を取り入れたり、食事中やテレビを見るときは姿勢を正すように声かけしたりしましょう。
また、お口のトレーニングを行う際は、「タイマーではかって決められた時間できるか」など、遊び感覚で取り入れて毎日の習慣にすると、お子さまの負担軽減にもつながります。
■口腔機能発達不全症の可能性がある場合もご相談ください
口腔機能発達不全症は、早めに気づき対応することで改善が期待できます。
MFTによるトレーニングやマイオブレースなどを使った治療法は、子どもの健やかな成長を支える強い味方です。気になる点があれば、ハート歯科クリニックへお気軽にご相談ください。