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お子さまの歯の欠け・変色、「エナメル質形成不全」かもしれません


みなさんこんにちは。

新発田市の歯医者【ハート歯科クリニック】です。


「子どもの歯が一部白くにごって見える」

「気がついたら前歯が欠けていた」

そんな症状に心当たりはありませんか?


実はそれ、「エナメル質形成不全」という歯の疾患かもしれません。


そこで今回は、子どもの歯の欠けや変色の原因として注目される「エナメル質形成不全」について、その特徴や原因、将来的な影響、治療法についてご紹介します。


■子どもの歯が欠ける・変色する原因は?


乳歯や生えたばかりの永久歯に次のような症状が見られる場合、エナメル質の発育に問題がある状態かもしれません。


  • 歯が白く濁っている、黄ばんでいる、茶色くなっている

  • 一部が欠けやすい、摩耗している

  • 歯の表面がザラザラしている

  • ほかの歯と色が違う歯がある

  • 生えてきた歯の形がいびつ、凹凸がある


こうした歯の状態は、通常のむし歯や着色とは異なるため、早めに歯科医院に相談しましょう。


■エナメル質形成不全ってどんな症状?


エナメル質形成不全とは、歯の表面を覆うエナメル質が正常に発達しない状態です。

エナメル質は、歯の一番外側にある硬い組織で、むし歯や衝撃から歯を守る重要な役割を果たしています。


このエナメル質が部分的または全体的に薄かったり、穴が空いていたり、もろくなっていたりすることで、歯の色や形に異常が現れます。


※日本小児歯科学会 富山大学 共同研究

エナメル質形成不全の有病率」(2017)


■エナメル質形成不全の主な原因


エナメル質形成不全は、歯が作られる時期(主に乳児期〜6歳頃)に何らかの影響が加わることで、エナメル質の発達が妨げられる疾患です。

代表的な原因は以下の3つです。


◎妊娠中や乳幼児期の全身状態の影響

歯が作られる時期に高熱が出たり、栄養不足やビタミンD欠乏、感染症(はしか・風疹など)にかかったりすると、歯の石灰化がうまくいかず、エナメル質が十分に硬くならないことがあります。


また、低出生体重児や早産の場合、体の発達と同様に歯の発育も未熟な状態で進むため、エナメル質形成不全のリスクが高いとされています。


◎遺伝的な要因

家族に同じような歯の変色や形成不全がある場合、遺伝による体質や歯の発育異常が原因である可能性も考えられます。


◎外傷や薬剤の影響

乳歯が生える前に歯に衝撃を受けた場合や、特定の抗生物質(例:テトラサイクリン)を乳幼児期や妊娠中の母親が長期的に服用することが影響するケースもあります。


※現在では子どもへの使用は避けられています。


■エナメル質が弱いとどうなる?


エナメル質が薄かったり存在しないことで、歯にさまざまなトラブルが起こりやすくなります。


◎むし歯になりやすい

エナメル質が十分にないと、むし歯の原因となる酸への抵抗力が弱くなり、むし歯の進行が早くなる可能性があります。


◎歯が欠けやすい・摩耗しやすい

食事や歯ぎしりなどの衝撃でもすぐに歯が削れる・欠けることがあります。


◎知覚過敏が起こりやすい

エナメル質よりさらに内部にある象牙質が露出しやすくなり、冷たいものがしみやすくなります。


◎見た目の違和感やコンプレックス

変色や凹凸によって、子どもが気にして笑えないなどの心理的影響も考えられます。


■エナメル質形成不全の治療方法と日常のケア


エナメル質形成不全の程度によって、治療法は異なります。

基本的には、歯の保護・見た目の改善・むし歯予防を目的とした対応が行われます。


◎軽度の場合

  • フッ素塗布でエナメル質を強化

  • フッ素入りの歯磨き粉でのケア

  • 定期的なクリーニングと経過観察


◎中等度〜重度の場合

  • コンポジットレジン(白い詰め物)での修復

  • 歯の被せ物(クラウン)で保護

  • 小児矯正で噛み合わせや歯列を整える治療が必要なケースも


■「お子さまの歯が欠ける・変色する」は早めにチェックを


エナメル質形成不全は、見た目だけでなく機能面でも放置すると危険な問題です。

子どもの歯が欠けたり変色していたりするのを見つけたら、まずは早めに歯科医院を受診しましょう。


お子さまの時期の適切な対応によって、むし歯や歯並びのトラブルを予防し、健やかな口腔環境を整えることが期待できます

当院では、エナメル質形成不全の診断・治療にも対応しています。

気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。


ハート歯科クリニック
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